甲府のアート

甲府のアート
甲府驛煉瓦ひろば
湯村温泉郷
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甲府(かふふ)驛煉瓦ひろば

2006年6月11日、JR甲府駅の1番線ホームに「かふふ驛煉瓦ひろば」が完成した事をUTY(テレビ山梨)のニュースと産経新聞山梨版記事で知りました。
明治36(1903)年開業の甲府駅は6月11日が開業103年記念日でした。広場(と言ってもホームの一角ですが)の名前には「こうふ」の歴史的仮名遣いである「かふふ」を使って「かふふ驛煉瓦ひろば」と名付けられたとの事です。写真のように3点が設置されています。

場所は改札口から階段を下りたすぐ近くです。前にはベンチが置かれています。(ホームに人が多くて全体を撮影するのが憚られたので写真は部分的になっています。)

かふふ駅煉瓦ひろば
「かふふ来の鐘」(幸福の鐘)
かふふ駅煉瓦ひろば
煉瓦造り倉庫の壁面の一部

「かふふ来の鐘」と名付けられている釣鐘は、「幸福」と「甲府に人が来るように」の2つの意味が込められている「こうふくの鐘」です(ICT甲府のネーミングみたいですね)。かつては甲府駅上りホームの跨線橋下部に吊り下げられていたもので1984年に跨線橋撤去に伴い、駅事務室に移設されていたそうです。設置時期は不明ですが昭和初期には既にあり、戦後、甲府駅構内の建物が火事になった際に釣鐘を連打し大事に至らなかったというエピソードが残っていると銘板に記されています。
 屋根形の煉瓦造りは旧甲府駅煉瓦倉庫の一部を使って作られたもの、倉庫は明治36年の開業当時に建設されたものと推測されるが建設年度は不明とのことです。明治から昭和初期まで汽車内はランプで灯をとっており、煉瓦倉庫はそのランプの灯油の補給や整備をする仕事をしていた整灯手と言われる職員の勤務個所だったと書かれています。

「幸福の鐘」が旅立つ人、見送る人の手によって祈りをこめて鳴らされる時があってもよいかな。

かふふ駅煉瓦ひろば
鐘の台座に置かれているレールは
ドイツのウニオン社1903年製造
甲府駅開業当時に使用されていたもの
かふふ駅煉瓦ひろば
甲府駅の旧跨線橋に使われていた柱

柱は明治36(1903)年に製造された鋳鉄架構の一部。当時の鉄道における鋼構造は全てイギリスの製品または技術を輸入していたが、鋳鉄構造だけは日本独自の技術によるものだったと銘板に記されています。

鉄道と煉瓦と言えば何といっても東京駅でしょう。「2006年度より東京駅赤煉瓦駅舎の復原工事が始まる」という記事がありますが、「東日本鉄道文化財団」のホームページに「かふふ驛煉瓦ひろば」も紹介されたらよいですね。このページは2006年5月27日にブログで予告編を書いたフォローです。