湯村温泉郷と竹中英太郎記念館

甲府湯村温泉のむらばなし

2008年11月26日に竹中英太郎記念館の館長日記で「甲府湯村温泉のおはなし」という小冊子のことが紹介されていました。ちょうど出かけるついでがありましたので、これを求めに湯村温泉郷に立ち寄りました。

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表紙と裏表紙をスキャンしておきます。
本文49ページの内容は14の「おはなし」で構成されていて、これは「湯村温泉新聞」に掲載されたものを収録して作成されたとのことです。

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平成20(2008)年は808年(平安時代初期の大同3年)の弘法大師開湯から1200年の記念の年になり、この冊子も7月に刊行されました。

 

甲斐の国の歴史は県立博物館にでも出かけてしっかり勉強しておきたいと思っていますが、湯村の昔の名前、志麻の里について調べた時に地理的な事はおおよそ分かりました。でも当時の人々の生活については知りません。その生活の姿がこの「おはなし」からもうかがえるように思いました。公文書(編纂された史書)は支配者の歴史であり、語り継がれる話はそこに生きた人々の歴史だという考え方もあります。

湯村の石切り場の跡地に接して竹中英太郎記念館があるのですが、その石切り場のおはなしで、「やまむらの ここきんきんと けさもまた いしきるおとの やどのめざめよ」 という短歌が紹介されています。『石を割る時は「コ、コ」と二つ小さく打って楔をさし入れて、あと大きな槌でその楔の頭を「キィーン、キィーン」と打つと割れたそうです。』 とこのおはなしに書かれています。なるほど、それで「ここきんきん」、宿に泊った朝の目覚めのイメージになんだか懐かしい想いがしました。

この冊子は活字が大きくてモニター作業で疲れた目にも読みやすかったです。製作された方々のお気持ちがあらわれているように思います。お年寄りから語り聞かされる昔話には聞く人々をそれとなく諭すような意味をもつものがあります、この「おはなし」の中にも今に通じるものが潜んでいるようです。湯村温泉郷の各旅館さんで300円で販売されています。どうか甲府市湯村に来てこれをお求めください(^o^)
私がこれを求めたのは老舗旅館のひとつ、柳屋です。

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